2012年05月25日

琉球八社

ハイサイ 、みなさん。今回は、琉球八社についてお話します。
波上宮•沖宮•識名宮•普天満宮•末吉宮•安里八幡宮•天久宮•金武宮を俗に、琉球王府から特別の扱いを受けた神社として、琉球八社と言います。
これら琉球八社は、真言宗寺院とともにありました。つまり、神社と仏閣が同じ敷地内にあったということです。波上宮ー護国寺 、沖宮ー臨海寺 、識名宮ー神応寺 、 普天満宮ー神宮寺 、末吉宮ー遍照寺 、 安里八幡宮ー神徳寺 、 天久宮ー聖現寺 、金武宮ー金武観音寺のごとく併置されていたのです。
金武宮を除く七社には神職が置かれ、琉球王府から、神職への役俸並びに営繕費を支給されていました。金武宮は、金武観音寺の住職が営んでいたそうです。
それでは、琉球八社の祭神、つまりどんな神様が祀られているのでしょうか?
安里八幡宮は、応神天皇(おうじんてんのう)•玉依姫(たまよりひめ)•神功皇后(じんぐうこうごう)の八幡大菩薩を祭神とし、他七社は、伊奘冉尊(いざなみのみこと)•速玉男尊(はやたまおのみこと)•事解男尊(ことさかおのみこと)の熊野権現をお祀りしているんです。
弓矢•武道の神として古来広く信仰された八幡神(やはたのかみ•はちまんじん)は、神仏習合時代に八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)とも呼ばれ、八幡神を祀る神社は全国に一万社とも二万社ともあるとされ、総本社は大分県宇佐市の宇佐八幡宮です。
一方、熊野権現とは、本地垂迹思想のもと熊野三山に祀られている神々の呼び名であります。
熊野三山(くまのさんざん)とは、和歌山県の熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)•熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)•熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)の三社の総称です。熊野権現は、日本全国に勧請され、各地に熊野神社が建てられました。熊野三山を総本社とする熊野神社は日本全国に約三千社あるそうです。
沖縄県と和歌山県は、それぞれの精神的信仰の聖地(斎場御嶽•熊野三大社や熊野古道)が世界遺産に登録されている共通点もありますが、琉球八社のうち、七社が熊野権現をお祀りしていることを考えると、いにしえから深い関係があるように感じます。
さて、皆さんがお住まいの地域にある神社や仏閣の歴史をひもとくと、今の世に生きる自分とのつながりが見えてくるという学びができるかもしれませんよ。
沖宮にみえる方々の中にも、沖宮のことをひもとくうちに、思いがけず古文書に自分のご先祖様の琉球王国時代の活躍をみつけたという例も数多くあります。

私たちは、自分が今存在することは、生んでくれた親があり、さらにその先には、縦に連綿とつながるウヤファーフジ(ご先祖様)があることを、心に留めておかなければなりません。つまり、感謝を忘れてはならないということです。

歴史をひもとくとは、ウヤファーフジに光をあてるということなのではないでしょうか。
さあ、お近くに歴史ある建造物やその跡などはありませんか?
今度のお休みあたり、散策などはいかがでしょう?
歴史の風があなたの心に、素敵な時間を与えてくれるかもしれませんよ。

「いよいよ明日は、デービッド•ラルストンバンドによる天燈会です。初のアメリカ人による奉納舞台ですので、とても楽しみです。お時間のある方は、是非、おこしください!」
琉球八社



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Posted by 琉球の祭典 at 11:53 │沖宮(おきのぐう)