琉球雅楽(りゅうきゅうががく)

琉球の祭典

2012年04月27日 06:29

 ハイサイ、みなさんお元気ですか!今回は雅楽についてお話しましょう。

 雅楽とは、宮中や寺社の儀式・祭礼などにおいて伝わる日本古来の音楽や舞のことをいいます。5世紀頃から古代アジア大陸諸国の音楽と舞が仏教文化の渡来と前後して中国や朝鮮半島から日本に伝わったといわれています。遥かアジアから伝来した音楽や舞が融合してできた芸術、雅楽は、ほぼ10世紀に完成されました。
雅楽の中で最も有名な曲は、神社のご祈祷や祭典などで流れる「越天楽(えてんらく)」です。これは、お聴きになったことがある方も多いと思います。聴いているだけで、厳かな気持ちになるという声もよく聞かれます。
 さて、ここ沖縄は、琉球王国時代より独自の芸術文化が現在まで連綿と受け継がれていますが、これは、中国の文化的・思想的影響を大きく受けたものです。
同様に日本・朝鮮・ベトナムなどにも広く伝わり、各国でそれぞれの民族固有の楽器も取り入れられ、それぞれの花を美しく咲かせました。 
 琉球王国時代、中国からの冊封使を歓待する時、また、徳川将軍に謝恩使や慶賀使を送る「江戸上り」の際、中国に影響を受けた音楽が演奏されました。このうち、室内で座って合奏する音楽は、「御座楽(うざがく)」、野外で行列しつつ歩きながら合奏する音楽は、「路次楽(ろじがく)」と呼ばれています。これらは、儀式に用いられたという点では、雅楽の心と通じるものがあるかもしれません。

 さて、私の周辺では、かねてより、御座楽や路次楽を下敷きにもっと沖縄独自の音色、つまり鍵盤で「ドレミファソラシド」から「レ」と「ラ」を抜く琉球音階を用いた新しい雅楽・「琉球雅楽」を作ってみようという話があり、今回、日出克さんのプロデュースにより進められました。
そして、ついに今春の例大祭において、日本古来の雅楽の代表的楽器である篳篥(ひちりき)・笙(しょう)に加え、琉球古来の伝統的楽器である三線・琉球箏・胡弓・琉笛・太鼓で構成された楽団によるできたてほやほやの「琉球雅楽」を披露しました。
 当日は、琉装に身を包んだ演奏者がずらりと整列しているだけで祭典会場が神々しく感じられました。祭典中に奏でる演奏は、思わず当事者であることを一瞬忘れ、うっとり聴き入ってしまい、とても感動しました。
 同じ、アジア大陸の文化の影響を受けた大和と琉球の音楽や舞が悠久の時を超えて、平成の御世に出会い、新しい文化を創造できたことに、心がふるえる思いです。携わってくださった皆さまには感謝の一言に尽きます。これも、神様のおぼしめしかもしれませんね。
 今後「琉球雅楽」の大きな可能性を強く感じるとともに、もっと参列者に感動を与えられる祭典を目指していきたいと決意を新たにしました!
 尚、再来月6月16日(土)に開催する「天燈会・平和の祈り」でも、「琉球雅楽」を観る事ができます。どうぞ、お楽しみに!


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